本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

銀の匙

銀の匙』(中勘助) <岩波文庫> 読了。

 

最初は全然響いてこなくて、どうなることかと思った。
確かに幼児のみずみずしい感性が丁寧に描かれているとは思ったが……。

しかし、半分ぐらい読んで、主人公の人間関係が少し広がってきたころから俄然面白くなってくる。
もし、最初の方でリタイアしてしまった方がおられたら、せめて前篇は読み切って欲しい。

そして、できれば後篇の、主人公の成長と、美しい、哀しい描写を堪能して欲しいと思う。

最初はちょっとダレてしまうかもしれないが、そこさえ乗り切ればとても面白い作品である。