本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

思考の整理学

『思考の整理学』(外山滋比古) <ちくま文庫> 読了。

 

自力で飛ぶことのできないグライダー人間を育てる学校教育の弊害は昨今よく言われている事だし、「朝起きたら問題が解けていた」という経験をしたことがある人も少なからずおられると思う。
そんな調子で始まるので、「なあんだ」と止めてしまうのはもったいない。せめてⅡの「醗酵」までは読んで欲しい。
著者の調子はそこから良くなってくるので、あとはグングン読んでいくことができる。

著者はグライダー人間を育てる教育を否定するので、この著書で「何かを教えてもらおう」と思ってはいけない。
あくまで著者の方法として参考にするに留めるのが著者の意図するところでもあろう。

本の読み方についても言及されているので、本読みにもおすすめ。
特に「既知・未知」はとても参考になる。

自分でも、自身の経験に照らし合わせながら、何かいい「思考の整理法」を生み出せたらいいと思う。