うたかた/サンクチュアリ
『うたかた/サンクチュアリ』(吉本ばなな) <新潮文庫> 読了。
久しぶりのばなな作品だったので、最初はなかなかとっつき難かったのだが、馴染んでくると、彼女独特の表現が非常に心地よく、楽しく読むことができた。
この表現力は本当に「ありそうでない」ように思う。
最近の「よしもとばなな」作品はあまり面白くないとも聞きますが、この表現力さえ残っているのなら是非とも読んでみたいように思われる。
しかし、あとがきで彼女は
----------
「きっとこういうことが書けるだろう、書けるに違いない」と思って書き、
そして失敗したというのが正直な気持ちです。
----------
と書いているのが驚き。
----------
私の言葉でない言葉で書かれた小説
----------
なんだそうだ。
まだ、『キッチン』とこの作品しか読んでいないので判断できないが、今後もいくつか読んでみてから、これからも読み進めていくべきか、決めたいと思う。
(その後、彼女の作品をいくつか読んでみましたが、ダメでした。『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』だけが彼女の良さを表現していたようです)