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本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

泥の河・螢川・道頓堀川

『泥の河・螢川・道頓堀川』(宮本輝) <ちくま文庫> 読了。

 

「泥の河」は子供の頃映画で観てトラウマになってしまった作品。
読むのに勇気が要ったが、こんなにいい作品だったとは!
子供の視点と大人の視点がうまく入り混じり、何とも言えない心地よい悲哀を感じることができる作品だった。
思い切って読んでみて、本当に良かったと思う。

「螢川」は中学三年生の青春を描いた作品。
私にはそれほど響かず、この三作の中ではちょっと残念に思われる作品だった。
多感な時期を描いたにしては、少し踏み込みが甘いような気がする。
しかし、読む時期によって大きく感想が異なるような気もする。
いつか再読してみたい。

道頓堀川」は、様々な人の、様々な生き方を描いた作品と言える。
これは三作の中では抜群の作品だと思った。
まだまだ読むべき本はあるんだなあ、と、深く実感しながら読み進めていた。
人生の岐路に立ち、どのように身を処すべきか迷っている方にはぜひ読んでいただきたい。

ただ、宮本輝の作品は、すごく引き込まれる部分とほとんど響いてこない部分の差が大きい感じがする。
正直、文章も「すごく上手い!」というわけではないように思う。
今後も読んでいくかどうか、かなり迷う作家である。