中国行きのスロウ・ボート
『中国行きのスロウ・ボート』(村上春樹) <中公文庫> 読了。
村上春樹初の短編集。
中編、長編は書いていたとはいえ、短編はまた違った難しさがあるだろうと思うのだが、もうすでに完成されているように感じられる。
短編「中国行きのスロウ・ボート」の悲哀はどうだろう!
「貧乏な叔母さん」というお題でこんなに人を惹きつける話を書ける作家がどれほどいるだろう!
最初から村上春樹は村上春樹なんだなあ、と思わせられた短編集だった。
<収録作品>
・貧乏な叔母さんの話
・ニューヨーク炭鉱の悲劇
・カンガルー通信
・午後の最後の芝生
・土の中の彼女の小さな犬
・シドニーのグリーン・ストリート