本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

アフターダーク

アフターダーク』(村上春樹) <講談社文庫> 読了。

 

会話文や書かれている内容は村上ワールドだが、文体が普段の村上春樹と全く異なっているので、「村上春樹を読みたい」と思ってこの作品を手にとった方は戸惑うかもしれない。
私には映画の脚本のようなイメージを受けた。それもデヴィッド・リンチ監督の。

それでも、私は、この作品は村上作品の中でも重要なものの一つだと思う。
村上春樹が掬い取って作品にする素材の生の形が確かにここにある。

村上春樹の「生の素材」に触れたい方には必読の作品だと思う。

文体、という観点からしても、私は好きだ。