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本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

戦争と平和

戦争と平和』[全四冊](トルストイ/工藤精一郎訳)<新潮文庫> 読了。

充実した読書時間を過ごすことができた! というのが第一感。

去年から今年にかけての「年越本」に選んだのだが、読み終わったのが結局今になってしまった。

ロシアの長編小説というと、何だか難解で退屈なイメージもあるが、この作品は全く違う。
多彩な登場人物と次々と起こる出来事で書面が埋め尽くされており、非常に濃密な作品で、全く飽きることがない。

登場人物が多いのがややネックではあるが、
・誰と誰が兄弟/姉妹なのか。
・誰が誰の息子/娘なのか。
・誰と誰が一緒に住んでいるのか。
・誰と誰が友達なのか。
といったところに留意して読んでいれば、普通に読んでいても理解できる人間関係になっている。
また、物語の構成に直接関わっている重要な人物はそれほどいないし、だんだん明らかになってる。

一人の人物を表現する(呼ぶ)方法はいくつもあって、そこは混乱するかもしれない。
例えば、
「マリヤ・ニコラーエヴナ・ボルコンスカヤ」
という人物がいる。
「マリヤ」が名前、「ニコラーエヴナ」が「ニコライの娘」という意味、「ボルコンスカヤ」が姓。
彼女は「マリヤ」と呼ばれたり、「マリヤ・ニコラーエヴナ」と呼ばれたり、「公爵令嬢マリヤ」「ボルコンスキイ公爵令嬢」と呼ばれたり、単に「公爵令嬢」と呼ばれたりする。
しかも、「マリイ」「マーシャ」などの愛称で呼ばれることもある。
こんな風に、一人の人物をいろんな方法で表すことを知っていれば、大体問題ないだろう。
なお、女性と男性とでは少し呼び方が異なる。
「アンドレイ・ニコラーエヴィチ・ボルコンスキイ」は彼女の兄だが、ごらんのとおり、「ニコライの息子」という言い方や姓が妹と異なる。

とにかく、ロシア人の名前に関する少しの知識と注意力さえあれば、全く問題なく読める作品である。
ぜひとも、この読書体験をみなさんにも味わって欲しいと願う。

戦争と平和 戦争と平和 戦争と平和 戦争と平和