本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

太宰治全集8

太宰治全集8』(太宰治) <ちくま文庫> 読了です。

パンドラの匣」は終戦直後でも希望を失わずに生きていこう、という強い意志を感じる名作ですし、他の短編・掌編も好ましい作品が多いです。

しかし、「男女同権」から急に雰囲気が変わります。
人間の暗い部分、見たくない部分が現れてきます。

これまでもちょっといじけた作品は多々ありましたが、こんな嫌な暗さはありませんでした。
これから死に向かうまでの期間に、このような作品が書かれていくのでしょうか。
目が離せなくなってきました。

<収録作品>

パンドラの匣
薄明

親という二字

貨幣
やんぬる哉
十五年間
未帰還の友に
苦悩の年鑑
チャンス

たずねびと
男女同権
親友交歓
トカトントン
メリイクリスマス
ヴィヨンの妻
冬の花火
春の枯葉