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『デミアン』(ヘッセ/高橋健二訳) <新潮文庫> 読了です。
確か最初は高校生のとき、家にあった世界文学全集のようなもので読んだのだと思います。
とても感激し、その後大学に入っても(今度はこの文庫で)読み、変わらない感激を覚えました。
それからずいぶん経ち、「もう一度読んでみよう」と古い文庫を発掘して読んでみました。
やはりそのころとは読書への態度が変わっているためか、今度は残念ながら感激することはありませんでした。
もっと日常生活の中での出来事だったような記憶だったのですが……。
解説にもあるように、ヘッセ自身が非常に困難な時期に書かれたもので、精神分析家との交流もあり、このような作品ができたようです。
小説というよりは、ヘッセが自己を追求した記録として、資料的観点から読むと面白いかもしれません。
特に、ユング心理学との親和性がいいように思います。
この辺りが好きな方にはおすすめです。
今回は面白く読めなかったとはいえ、ここに書かれているこんな手法は試してみたいです。
◆ 絵を描いてみる。
◆ 目的を定めず、街をうろついてみる。
◆ 夢を気にしてみる。
また、こんな教訓もあるように思いました。
◆ 今いる場所がゴールと思うな。
◆ 今いる場所が袋小路だと思うな。
◆ 眼の前にいる人がいつまでも先生だと思うな。
あまり面白くなくても、こういう得るものがあるのがヘッセのすごいところです。