本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

今年の総括

今年の総括と、「手元に残した本」「年越し本」です。

今年はとにかく、『ジャン・クリストフ』を読んだのがとても大きかったです。
「結局、読書なんて趣味だから」とこれまで思っていましたが、趣味でない読書、というものが存在することを知りました。
この読書は私の人生にとって非常に大きな経験でした。

初めて読んだ作家は宮下奈都だけです。
非常に興味深い作品でした。
私の気持ちが強すぎたのかもしれませんが、読む人によって応え方が全く異なる作品だと思いました。
つまり、そのような作品が書ける作家、ということです。
また好きな作家が一人増えそうです。

堀江敏幸柴崎友香は二作目の読書です。
どちらも初めて読んだ時の印象がそのまま二作目でも感じられ、やはり私の眼は正しかった、と思いました。

道尾秀介は力はあると思いましたが、トリッキーな内容になってしまったのが残念です。
もう一冊積読してあるので、それは読みます。
また、最近はミステリでない作品も書かれているとのことなので、もう少し追いかけるかもしれません。

■ 手元に残した本
# 全集系、趣味系は除きます。
ジャン・クリストフ』[全四冊](ロラン・ローラン)<岩波文庫>
ユリシーズ演義』(川口喬一) <研究者出版>
『去年の冬、きみと別れ』(中村文則) <幻冬舎文庫>
1Q84』[全六冊](村上春樹) <新潮文庫>
『雪沼とその周辺』(堀江敏幸) <新潮文庫>
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹) <文春文庫>
日蝕・一月物語』(平野啓一郎) <新潮文庫>
『よろこびの歌』(宮下奈都) <実業之日本社文庫>
『春の庭』(柴崎友香) <文春文庫>

■ 年越し本
今年の年越し本には
ファウスト』[全二冊](ゲーテ/高橋義孝訳) <新潮文庫>
を選びました。
東西を選ばず、たくさんの作品に影響を及ぼした作品ですので、早めに読みたいと思っていました。
「どんな言葉もすでにゲーテが言っている」とたとえられるゲーテが、何をどのように表現しているのか、という興味もありました。

年越し本は時間をかけて読もうと思い、いつも「ちょっと難しいかな」と思う作品を選んでいるのですが、思った以上におもしろく読みやすく、すでに一冊目の半分ぐらい読んでしまいました。
年越しまでもつかな。