本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

遮光

『遮光』(中村文則) <新潮文庫> 読了。デビュー二作目。一作目の「銃」と同じく、日常に紛れ込んだ異物によって毀されていく様子が描かれている。しかし、「銃」が次第に毀されていったのに対し、この作品では初めから毀れていた様子が伺える。いずれにしろ…

芥川龍之介全集5

『芥川龍之介全集5』(芥川龍之介) <ちくま文庫> 読了。「六の宮の姫君」は有名ですが他はあまり聞かない作品が多い。しかし、人間模様を描いた、このころの作品が私には好ましく思われた。小説は次の第六巻で終わり。これから死へ向かう時期にかけて、どの…

『銃』(中村文則) <河出文庫> 読了です。「銃」と「火」が収録されている。「銃」はとにかくものすごい! 拳銃によって毀れていく様子が一人称で語られていくその手法は、やはり中村文則でしか書けなかったんじゃないかと思わされる。読後はぞわっと鳥肌が立…

芥川龍之介全集4

『芥川龍之介全集4』(芥川龍之介) <ちくま文庫> 読了。流石にこの時期になるとかなり熟している作品が多く、味わい深く読むことができた。「杜子春」や「往生絵巻」、「藪の中」といったよく知られた作品も多いが、あまり聞かない作品の中にも、「捨児」「…