本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

2012-01-01から1年間の記事一覧

幸福論

『幸福論』 (アラン/神谷幹夫訳) <岩波文庫> 読了。 後頭部を鈍器で殴られたような衝撃。 今までなんてつまらない人生を送っていたのか! もっと早く読んでいたなら、全く違う人生を歩んでいたと思う。 「悲観主義は気分により、楽観主義は意志による」全く…

ネクタイの数学

『ネクタイの数学』(トマス・フィンク,ヨン・マオ/ 青木薫訳) <新潮OH!文庫> 読了。 9ステップまでの結び方を全て網羅し、美的ノット13種や美しさのポイントまで紹介されている。 私もこれを読むまでは「フォアインハンド」でしか結んでなかったのだが、読ん…

イニシエーション・ラブ

『イニシエーション・ラブ』(乾くるみ) <文春文庫> 読了。 途中で「?」な記述が出てきたと思ったら、そういうことだったのかあ。 すっかり騙されてしまった。 それにしてもひどい話だ。 やたらと男にとって都合のいい女性が出てくるな、と思ったら、作者は…

八日目の蝉

『八日目の蝉』(角田光代) <中公文庫> 読了。 男と女では感じ方が違うような気がする。 男の私は最後まで何も見つけることができなかったが、女は何かを見つけることができるのだろうか。 八日目の蝉 (中公文庫) 角田 光代 中央公論新社 Amazonで詳細を見る

菜根譚

『菜根譚』 (洪自誠/今井宇三郎訳) <岩波文庫> 読了。 予想していた内容とは違っていたが、とても良かった! 中国古典という先入観を外して、人生に迷った時にぜひ読んで欲しい。 どちらかというと、老荘思想や禅の思想に近いような印象だが、筆者は儒者との…

レベル7

『レベル7』(宮部みゆき) <新潮文庫> 読了。 実は再読。かなり昔に一度読んでいる。 再読ながら冒頭部分しか覚えておらず、「どうなるんだっけ」と思いながら楽しく読み進めることができた。 うーん、そんな風になってたなんて、全く記憶にない。 結構複雑…

西遊記

『西遊記』[全10巻](中野美代子訳) <岩波文庫>読了。 中国四大奇書の中でも特に親しまれている作品。 しかし、きちんと最後まで読むと、ひどいマンネリで閉口した。 しかも、ようやく天竺にたどりついてみれば、釈迦やその弟子たちからのあまりといえばあま…

新解さんの読み方

『新解さんの読み方』(夏石鈴子) <角川文庫>読了。 新明解国語辞典を面白く読むためのガイド本としては、赤瀬川源平の『新解さんの謎』が有名だが、赤瀬川源平に新明解国語辞典の面白さを伝えたのが夏石鈴子。 前者が新明解国語辞典というものの面白さを紹介…

海を見る人

『海を見る人』 (小林泰三 ) <ハヤカワ文庫>)読了。 小林泰三の作品にはいつも毒が含まれているが、これは毒気の無い、純粋なSF作品。 小林泰三が苦手な方でも楽しむことができる。 出てくる数字には物理的に意味があり、ちゃんと計算できるところの作り込み…