本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

森鴎外全集1

『森鴎外全集1』(森鴎外) <ちくま文庫> 読了です。いきなり文語体で、「これは読み終わるのに時間がかかるなあ」と覚悟したのですが、「半日」から口語体になり、一気に読み進めることができました。ドイツ三部作では「舞姫」が有名だと思いますが、私は「…

今年の総括・年越本・手元に残した本

■ 今年の総括今年は何といっても第三の新人に出会えたのが大きかったです。言葉としては知っていましたが、こんなに魅力的な作品だったとは!去年は安岡章太郎の『海辺の光景』が合わなくてどうかと思ったのですが、今年読んだ小島信夫、庄野潤三、小沼丹は…

迷宮

『迷宮』(中村文則) <新潮文庫> 読了です。相変わらず暗く陰鬱な作品ですが、とても濃密な内容です。『掏摸』や『王国』、『悪と仮面のルール』で感じた饒舌は消えていて、そういう点ではとてもすっきりした印象を受けました。紗奈江の告白は余計かな、とも…

太宰治全集9

『太宰治全集9』(太宰治) <ちくま文庫> 読了です。戦後の混乱期から死の直前までの作品集です。第八巻から引き続き、人間の暗い面が多く描かれています。やはり圧巻は「斜陽」「人間失格」だと思いますが、「桜桃」をはじめ、「おさん」「眉山」「女類」と…