本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

日蝕・一月物語

『日蝕・一月物語』(平野啓一郎)<新潮文庫> 読了です。 「日蝕」は芥川賞受賞後すぐに読んだことがあります。概ねストーリーや文体は覚えていましたが、やはり年月が経つと、興味ある部分も変化していました。当時は一風変わった文体やストーリーを面白く読…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹) <文春文庫> 読了です。 『少年カフカ』『アフターダーク』『1Q84』と少し実験的な作品が続いていましたが、久しぶりに「失われる物語」が語られたように思います。 しかし今までの「失われる物語」…

江戸川乱歩全集第3巻 陰獣

『江戸川乱歩全集第3巻 陰獣』(江戸川乱歩) <光文社文庫> 読了です。 3巻にきて、ようやく江戸川乱歩が書きたかったものを書けているのかな、という印象を受けました。 「陰獣」や「芋虫」といったよく知られた乱歩作品のみならず、「踊る一寸法師」「人で…