本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Bolero

『Bolero』(吉田音) <筑摩書房> 読了。作者が「吉田音」になっているが、クラフト・エヴィング商會の作品。一応、中学生の娘さん、という設定になっている。SIDE AとSIDE Bにストーリーが分かれていて、SIDE Aは吉田音と円田さんと黒猫シンクの話、SIDE BはS…

残穢

『残穢』(小野不由美) <新潮文庫> 読了。内容に踏み込む作品ではないので詳しくは書けないが、起伏はあったものの、きっちり最後まで読むとなかなか興味深い作品だった。作品中でちょっと触れられていた、“「四谷怪談」のような「話」自体が怪であるものがあ…

鬼談百景

『鬼談百景』(小野不由美) <角川文庫> 読了。怪談集。まあ、よくある怪談かな、といった感じだ。怪談の最後に「実はこうだった」というオチ(怪談的な意味で)をつけないのは好感がもてる。最近はオチをつけないのが流行りなのかな。理由が分からないのはよ…

芥川龍之介全集6

『芥川龍之介全集6』(芥川龍之介) <ちくま文庫>読了。「ぼんやりした不安」を感じて自殺したのは有名な話だが、「歯車」などを読むと、結構はっきりした不安のようにも思われた。全集6の前半では、どこか「死」を幻想的でメルヘンチックなとらえ方をしてい…

抱擁家族

『抱擁家族』(小島信夫) <講談社文芸文庫> 読了。最初はなかなか入り込めなかったが、最初の話題から次の話題に移ったころから俄然面白くなり、そこからは最後まで興味深く読むことができた。淡々とした文体は、誰が何をしゃべっているのか分からなくなるく…