本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

太宰治全集9

太宰治全集9』(太宰治) <ちくま文庫> 読了です。

戦後の混乱期から死の直前までの作品集です。
第八巻から引き続き、人間の暗い面が多く描かれています。

やはり圧巻は「斜陽」「人間失格」だと思いますが、「桜桃」をはじめ、「おさん」「眉山」「女類」といった作品も傑作だと思います。

これで一旦、太宰治全集は終わりです。
(第十巻もありますが、別名義で書かれた小説が一つ含まれているだけなので……)
太宰治は初期のから死の直前までいろんなタイプの作品を書いており、どのタイプも非常に興味深く読むことができました。
太宰治の作品全体が、一つの作品のようです。

太宰治も全集で読むべき作家の一人だと思います。

 

【収録作品】



女神
フォスフォレッスセンス

斜陽
おさん
犯人
饗応夫人
酒の追憶
美男子と煙草
眉山
女類
渡り鳥
桜桃
家庭の幸福
人間失格
グッド・バイ