本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

2016-01-01から1年間の記事一覧

キャスト バロック

キャスト バロック(CAST BAROQ) Akio Yamamotoのデザイン。 すぐにも外れそうだが、そうはいかない。 外れるときの美しさはシリーズ中でも一、二を争う。 はずる キャスト バロック【難易度レベル4】 ハナヤマ Amazonで詳細を見る

キャスト ギャラクシー

キャスト ギャラクシー(CAST GALAXY) Bram Cohenのデザイン。 外すのは簡単に外れる。 問題は戻すこと。固定観念にはまると戻せない。発想の転換が必要。 はずる キャスト ギャラクシー【難易度レベル3】 ハナヤマ Amazonで詳細を見る

キャスト ジー&ジー

キャスト ジー&ジー(CAST G&G) JinHoo Ahnのデザイン。 非常にシンプルだが、一直線には解けない。 単純な中の深みを感じさせる作品。 はずる キャスト ジー&ジー【難易度レベル3】 ハナヤマ Amazonで詳細を見る

キャスト オーギア

キャスト オーギア(CAST O'GEAR) Oskar Van Deventerのデザイン。 行けそうで行けない不思議。外れそうで外れない不思議。 迷路系なのでいつかは外れるが、その道のりを存分に楽しむことができる。 はずる キャスト オーギア【難易度レベル3】 ハナヤマ Am…

キャスト ビオロン

キャスト ビオロン(CAST VIOLON) Joseph L.Litleのデザインに室井忠夫氏と芦ヶ原伸之氏が手を加えた。 とても美しい造形である。 外すのはそれほど難しくないが、外れるときによく観察していないと、戻すのがとても難しい。 はずる キャスト ビオロン【難…

キャスト ボックス

キャスト ボックス(CAST BOX) YUTAKA AKIRAのデザイン。 シンプルな形状の迷路系なので、まったく問題なく解けそうだが、深みにはまってしまうとなかなか抜け出せない。 意外な外れ方も楽しい。 はずる キャスト ボックス【難易度レベル2】 ハナヤマ Amazo…

プールサイド小景・静物

『プールサイド小景・静物』(庄野潤三) <新潮文庫> 読了。最初に収録されている「舞踏」から、いきなり魅了された。この感性はすごい!小説だが、一篇の詩を読んでいるようだ。どの作品も、日常にしっかりと足を下しながら、しかも日常に潜む密かな非日常を…

悪意の手記

『悪意の手記』(中村文則) <新潮文庫> 読了。総ページ数190の短編ですが、読むのに三日かかった。 厚くてもすぐ読める作品もあれば、薄くても時間のかかる作品もあるものだ。正直、この作品はうまく消化しきれていない。自分の中に取り込むには、かなり長い…

太宰治全集3

『太宰治全集3』(太宰治) <ちくま文庫> 読了。全集を読んでいると、「走れメロス」のような作品がかなり異色であることがわかる。「畜犬談」はユーモラスな中に、ほろっとさせる作品。太宰が嫌いな方にもおすすめだ。「駈込み訴え」は緊迫感あふれる作品。…

終の住処

『終の住処』(磯崎憲一郎) <新潮文庫> 読了。「終の住処」と「ペナント」の二短編が収録されている。デヴィッド・リンチの映画を観たかのような読感だった。実は、「終の住処」を読んだときはうまくとらえることができず、ただただ困惑していたのだが、「ペ…

土の中の子供

『土の中の子供』(中村文則) <新潮文庫> 読了。コテンパンに打ちのめされた。ものすごい作品!この小説に比べたら、世に出回っている大半の小説はヤワい。本当に、中村文則の作品に出会えて良かったと思った。 土の中の子供 (新潮文庫) 中村 文則 新潮社 Ama…

太宰治全集2

『太宰治全集2』(太宰治) <ちくま文庫> 読了。「創世記」や「喝采」は何を言いたいのかさっぱり分からなかったが、それでも言葉の選び方や配置、文章のリズムで読ませるところはすごいと思った。特に良かったのは「富嶽百景」。富士山を中心に、主人公の日…

Bolero

『Bolero』(吉田音) <筑摩書房> 読了。作者が「吉田音」になっているが、クラフト・エヴィング商會の作品。一応、中学生の娘さん、という設定になっている。SIDE AとSIDE Bにストーリーが分かれていて、SIDE Aは吉田音と円田さんと黒猫シンクの話、SIDE BはS…

残穢

『残穢』(小野不由美) <新潮文庫> 読了。内容に踏み込む作品ではないので詳しくは書けないが、起伏はあったものの、きっちり最後まで読むとなかなか興味深い作品だった。作品中でちょっと触れられていた、“「四谷怪談」のような「話」自体が怪であるものがあ…

鬼談百景

『鬼談百景』(小野不由美) <角川文庫> 読了。怪談集。まあ、よくある怪談かな、といった感じだ。怪談の最後に「実はこうだった」というオチ(怪談的な意味で)をつけないのは好感がもてる。最近はオチをつけないのが流行りなのかな。理由が分からないのはよ…

芥川龍之介全集6

『芥川龍之介全集6』(芥川龍之介) <ちくま文庫>読了。「ぼんやりした不安」を感じて自殺したのは有名な話だが、「歯車」などを読むと、結構はっきりした不安のようにも思われた。全集6の前半では、どこか「死」を幻想的でメルヘンチックなとらえ方をしてい…

抱擁家族

『抱擁家族』(小島信夫) <講談社文芸文庫> 読了。最初はなかなか入り込めなかったが、最初の話題から次の話題に移ったころから俄然面白くなり、そこからは最後まで興味深く読むことができた。淡々とした文体は、誰が何をしゃべっているのか分からなくなるく…

遮光

『遮光』(中村文則) <新潮文庫> 読了。デビュー二作目。一作目の「銃」と同じく、日常に紛れ込んだ異物によって毀されていく様子が描かれている。しかし、「銃」が次第に毀されていったのに対し、この作品では初めから毀れていた様子が伺える。いずれにしろ…

芥川龍之介全集5

『芥川龍之介全集5』(芥川龍之介) <ちくま文庫> 読了。「六の宮の姫君」は有名ですが他はあまり聞かない作品が多い。しかし、人間模様を描いた、このころの作品が私には好ましく思われた。小説は次の第六巻で終わり。これから死へ向かう時期にかけて、どの…

『銃』(中村文則) <河出文庫> 読了です。「銃」と「火」が収録されている。「銃」はとにかくものすごい! 拳銃によって毀れていく様子が一人称で語られていくその手法は、やはり中村文則でしか書けなかったんじゃないかと思わされる。読後はぞわっと鳥肌が立…

芥川龍之介全集4

『芥川龍之介全集4』(芥川龍之介) <ちくま文庫> 読了。流石にこの時期になるとかなり熟している作品が多く、味わい深く読むことができた。「杜子春」や「往生絵巻」、「藪の中」といったよく知られた作品も多いが、あまり聞かない作品の中にも、「捨児」「…

芥川龍之介全集3

『芥川龍之介全集3』<ちくま文庫> 読了。「蜜柑」を除いてはあまり有名ではない作品ばかりだが(私が無知なだけかもしれないが)、「沼地」「疑惑」「路上」(完成しなかったのが惜しい)等々、傑作も数多く収録されている。いろんなタイプの作品を描き分ける芥…

乳と卵

『乳と卵』(川上未映子)<文春文庫> 読了。ずっと女性の性が赤裸々に綴られていて、やっぱり男の私としては辛いものがあった。しかし、最後のあの爆発!これで一気に印象が変わった。最初からの流れをうまく汲み取りながら、最後のあのシーンにつなげるセンス…

芥川龍之介全集2

『芥川龍之介全集2』<ちくま文庫> 読了。第一巻ではやや「書き過ぎ」のきらいがあったが、第二巻では明示するのではなく、文脈の中で読者が自身の考えを持てるようにうまく書かれてあるように思われた。「或日の大石内蔵助」や「戯作三昧」のように、人の心…

タイニー・タイニー・ハッピー

『タイニー・タイニー・ハッピー』(飛鳥井千砂)<角川文庫> 読了。何気ない日常を作品として描くのはとても難しいものだから、作者の力ではやや足りなかったかな、と思った。とはいえ、大型ショッピングセンター「タイニー・タイニー・ハッピー」を舞台に、人…

4522敗の記憶

『4522敗の記憶』(村瀬秀信)<双葉文庫> 読了。弱い球団であることは十分認識しているが、まあ、こんなにダメダメ球団だったってことを改めて思い知らされた。DeNAに買収され、中畑監督になったときはものすごい違和感があった。でも、本当のよくやってくれた…

ガードナーの数学娯楽

『ガードナーの数学娯楽』(マーティン・ガードナー/岩沢宏和,上原隆平監訳)<日本評論社> 読了。「完全版マーティン・ガードナー数学ゲーム全集」の第二巻。相変わらず興味深い問題が沢山取り上げられていて、とても楽しく読むことができた。以下、ざっと内容…

天獄と地国

『天獄と地国』(小林泰三)<ハヤカワ文庫> 読了。短編で読んだ方はネタがばれてしまっているが、短編はあくまで「物理学小説」だった。これはきちんと「SF小説」になっていて、短編の時と比べて読みどころ満載である。短編で読んだ方にも十分楽しめる内容にな…

ツ、イ、ラ、ク

『ツ、イ、ラ、ク』(姫野カオルコ)<角川文庫> 読了。子供の成長に合わせ文体を変えてみたり、表現に工夫を凝らしたりしているところがとても好感がもてた。こういう、「この作家ならでは」と思わせるところのある作家がとても好きだ。しかし、女性視点での女…

戦争と平和

『戦争と平和』[全四冊](トルストイ/工藤精一郎訳)<新潮文庫> 読了。充実した読書時間を過ごすことができた! というのが第一感。去年から今年にかけての「年越本」に選んだのだが、読み終わったのが結局今になってしまった。ロシアの長編小説というと、何だ…