太宰治全集1
ずっと以前に『人間失格』を読んだのだが、その時はピンと来なかった。
それでも、多くの人に好意的に読まれている事もあり、消費税増税の前に思い切って購入した全集だ。
前に読んだ三島由紀夫の『仮面の告白』が非常に面白かったため、おそらくは正反対の作品であろう太宰治を面白く読めるかどうか不安だった。
しかし、全く問題なく、面白く読むことができた。
三島由紀夫がガツンガツンと殴ってくるような文体であるのに対し、太宰治は水のようにすっと入って来るような文体。
どこがどうと明示できないが、いつの間にか夢中になって読んでいる、という感じがする。
とりあえず、先物買いのように買った太宰治全集が面白く読めそうだ、ということで非常に安心した。
<収録作品>
・晩年
・ダス・ゲマイネ
・雌に就いて
・虚構の春
・狂言の神