風と共に去りぬ
『風と共に去りぬ』[全五巻] (マーガレット・ミッチェル/ 大久保康雄,竹内 道之助訳) <新潮文庫> 読了。
読む前は、アメリカ南北戦争を舞台とした恋愛小説というイメージを持っていて、積読処理のつもりだった。
しかし、読んでみるととんでもない!
南北戦争前、戦中、戦後を通じて、主人公が何を考え、どのように行動したのか。
そして周りの人はどのような態度をとったのか。
その結果どのようなことが起きたのか。
そういったことが、事細かく描かれている。
かといって冗長なわけではなく、登場人物や情景が浮かび上がってくるような、過不足のない描写だと思った。
あえて「スカーレット・オハラ」ではなく主人公と書いたのには意味がある。
はたして、この小説の主人公はだれなのだろう。
きっと、読み終えた後、だれもが持つ問いだと思う。
確かにベースには恋愛があり、その上に構築された物語なのかもしれないが、決してそれだけに終わらない、骨の太いこの作品を愉しんでいただきたいと思う。