本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

終わらない歌

『終わらない歌』(宮下奈都)<実用之日本社文庫>読了です。
『よろこびの歌』の続編です。

『よろこびの歌』では最後のシーンに向けてどんどん物語を盛り上げていく手法でしたが、『終わらない歌』では一章毎に物語が完結するように作られていました。
それでもどんどん季節は移り行き、彼女たちは成長していきます。

主に電車で読んでいましたが、「Joy to the world」では涙が出てきてしようがありませんでした。
ハンカチまで取り出して眼を拭きながら読んでいました。
本当に、震えるような展開、シーン、セリフでした。

それと比べると最終章「終わらない歌」は少し物足りない印象です。
物語の終わりに向けて、大きく力強い嵐が吹き荒れている、というイメージでした。
しかし、少し私には伝わり難かったのは、私にそのような経験がないからでしょうか……。

相変わらず謎は残されています。 こういう感じ、いいですよね。

ところで、宮下奈都の文章は難しくないですか?
雰囲気で流すように読むこともできますが、一文ずつ追っていくと、それが誰のセリフなのか、どのような状態なのか、ちょっと混乱することも多々あります。
丹念な文章を書く作者なので、狙った作風なのだと思いますが、読んでいると結構疲れます。(褒めています)