本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

最後の命

『最後の命』(中村文則) <講談社文庫> 読了。

少年期に秘密基地近くで親友と共有したある事件。
それが成長する二人を引き離し、また引きつける。

少年期の友達という、ほのかに漂う甘酸っぱさが何ともいえない感情を引き起こす。

これまでの作品から引き継がれる深いテーマとは別に、そんな要素も感じることができた。
デビュー作『銃』のようなシンプルで強烈な作品もいいが、このような複雑性を持った作品も面白く読める。

何度も同じようなことを書いてしまうが、これが五作目の作品とはすごい!