村のエトランジェ
『村のエトランジェ』(小沼丹) <講談社文芸文庫> 読了。
初期の作品集のため、様々な文体で表されているが、ほとんどどの作品も面白く読めた。
特に「紅い花」「白孔雀のいるホテル」「村のエトランジェ」は傑作。
小沼丹(おぬまたん)はいわゆる第三の新人に属する作家で、今ではほとんど忘れられているようだが(私も紹介いただくまで知らなかった)、これほどの作品を書く作家が忘れられるなんてもったい。
第三の新人の作風があまり派手でないためか、どうしても埋もれてしまう傾向があるように思う。本当につくづく残念だ。
どうも私は第三の新人と相性がいいようで、これまで小島信夫、庄野潤三と、興味深い作家を紹介いただいた。
小沼丹もこれからも読んでみようと思う。
あと、吉行淳之介も何か読みたいと思っている。
<収録作品>
紅い花
汽船
バルセロナの書盗
白い機影
登仙譚
白孔雀のいるホテル
ニコデモ
村のエトランジェ