本とパズルのブログ

人生は一冊の本である。人生は一つのパズルである。

太宰治全集7

太宰治全集7』(太宰治) <ちくま文庫> 読了。

長編「津軽」「惜別」と、短編集「お伽草子」が収録されている。

津軽」は作者の地元愛がしみじみと感じられる傑作。
初期の「富嶽百景」に匹敵する印象を受けた。

「惜別」は私と中国人留学生と先生と、そして数人の友人たちとの交流を描いた、これも傑作。
同じ時期の長編「津軽」とはまた違った良さを感じた。

あと、「お伽草子」は太宰の心を自分で癒すために書いたのかな、といった感じ。
津軽」「惜別」からぐっと力の抜けた作品で、続けて読むとかなり違和感があるが、まあ、なかなか面白い作品に仕上がっていた。