2016-10-12 太宰治全集7 本 『太宰治全集7』(太宰治) <ちくま文庫> 読了。 長編「津軽」「惜別」と、短編集「お伽草子」が収録されている。 「津軽」は作者の地元愛がしみじみと感じられる傑作。 初期の「富嶽百景」に匹敵する印象を受けた。 「惜別」は私と中国人留学生と先生と、そして数人の友人たちとの交流を描いた、これも傑作。 同じ時期の長編「津軽」とはまた違った良さを感じた。 あと、「お伽草子」は太宰の心を自分で癒すために書いたのかな、といった感じ。 「津軽」「惜別」からぐっと力の抜けた作品で、続けて読むとかなり違和感があるが、まあ、なかなか面白い作品に仕上がっていた。 太宰治全集〈7〉 (ちくま文庫) 太宰 治 筑摩書房 Amazonで詳細を見る