村のエトランジェ
『村のエトランジェ』(小沼丹) <講談社文芸文庫> 読了。
初期の作品集のため、様々な文体で表されているが、ほとんどどの作品も面白く読めた。
特に「紅い花」「白孔雀のいるホテル」「村のエトランジェ」は傑作。
小沼丹(おぬまたん)はいわゆる第三の新人に属する作家で、今ではほとんど忘れられているようだが(私も紹介いただくまで知らなかった)、これほどの作品を書く作家が忘れられるなんてもったい。
第三の新人の作風があまり派手でないためか、どうしても埋もれてしまう傾向があるように思う。本当につくづく残念だ。
どうも私は第三の新人と相性がいいようで、これまで小島信夫、庄野潤三と、興味深い作家を紹介いただいた。
小沼丹もこれからも読んでみようと思う。
あと、吉行淳之介も何か読みたいと思っている。
<収録作品>
紅い花
汽船
バルセロナの書盗
白い機影
登仙譚
白孔雀のいるホテル
ニコデモ
村のエトランジェ
キャスト ヴォルテックス
キャスト ヴォルテックス(CAST VORTEX)
Akio Yamamotoのデザイン。
とにかく外れない。あまりに外れないので元に戻そうとしても戻らない。
偶然外れることは期待しない方がいい。
動かしながら十分に観察して、どういうことなのかを把握しながら進めていくしかない。
外れるときは様子をちゃんと観察しておかないと、もう元に戻すことができなくなるので注意。
キャスト カルテット
キャスト カルテット(CAST QUARTET)
MINE. Uyematsuのデザイン。
初めて外した時は力づく。戻した時も力づく。
外すのに一週間、戻すのに一か月かかった。
とにかく時間はかかるし力もいるし、二度と見たくないパズルだった。
しかし、このパズルにも解法がある。
解法を見つけると、力もいらないし、五分で外して戻せる。
ぜひ解法を見つけてほしい。
私は解法を見つけるのに一年半かかった。
この単純な形状のパーツの組み合わせで、これほど難しいパズルができあがるということが奇跡に感じる。